古物商の開業にかかる費用について

古物商は他の業種と比較しても開業の初期費用を低く抑えることのできる業種です。

古物商として事業を始める際に必要な許可と、実際に開業する際にかかる費用について解説します。

古物商の開業にかかるお金

古物商になるには、最低でも古物商許可と開業届さえあれば開業することができます。

特にメルカリなどのフリマアプリやECサイトを用いて古物の取引を行う場合には、店舗家賃等もかかりませんので、低コストで開業を行うことができます。仕入れにかかる費用を除くと以下のようになります。

古物商の開業にかかるお金
  • 古物商許可
    • 申請手数料:19,000円
    • 住民票取得:300円
    • 身分証明書取得:300円
    • 古物商のプレート制作費用:3,000~4,000円前後
    • 行政書士料金:19,000~55,000円前後
  • 開業届出:0円
  • 会計ソフト費用:月1,000円~3,000円前後
  • ウェブサイト運営費用:月2,000円~
  • その他

 

古物商許可にかかる費用

古物商として事業を開始するには、まず古物商許可の取得が必要です。許可申請にかかる費用は以下の通りです。

  1. 申請手数料:警察署へ納付する手数料として、19,000円が必要です。
  2. 公的書類の取得費用:「住民票」と「身分証明書」が添付書類として必要です。どちらも一通につき約300円程度の発行費用がかかります。(※郵送で交付請求する場合は、郵便料金等が別途発生します。)
  3. 古物商標識の製作費用:許可取得後、古物商として営業する際には、古物商標識(プレート)の掲示が義務付けられています。防犯協力会等から購入する場合、約3,000~4,000円程度の費用がかかります。
  4. 行政書士への依頼費用:古物商許可申請の全工程を行政書士に依頼する場合、平均で40,000円~55,000円程度、申請書類一式の作成(必要書類の取得サービス含む)を依頼する場合は約20,000円前後が相場です。なお、行政書士によって報酬は異なるため、事前に見積もりをご確認いただくことをお勧めいたします。

弊所では、これらの申請手続き全体をオンラインで完結できる形で、相場よりもお手頃な料金で代行しております。ご不明な点やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

開業届出にかかる費用

古物商として事業を開始する場合、事業の開始の事実があった日から1月以内に管轄の税務署へ開業届を提出する必要があります。しかし、開業届自体には手数料はかかりません。郵送での提出の場合は郵送料が発生しますが、e-taxを利用するか、税務署窓口で直接提出すれば、郵送料も不要です。

なお、開業届の提出の有無は、古物商許可の審査には影響しません。つまり、古物商許可申請時に開業届をまだ提出していなくても、古物商として営業を開始することは可能です。

  • 開業届自体には手数料はかからない
  • 郵送の場合のみ郵送料が必要(e-tax・窓口提出なら無料)
  • 開業届の有無は古物商許可審査に影響しない

会計ソフトの費用

古物商として開業すると、個人事業主として記帳や確定申告を自ら行う必要があります。会計ソフトの利用は必須ではありませんが、青色申告の場合には複式簿記による記帳が必要になるので、会計ソフトを使用することで経理処理が便利となります。

近年はfreeeなどのクラウド会計ソフトが普及しています。これらのソフトを利用すれば、お手頃な価格で仕訳の入力や計算、各種帳簿への自動転記が可能となり、経理処理が楽になります。

freeeの場合の料金
スターター月払い1,780円/月
年払い980円/月 (11,760円/年)
スタンダード月払い2,980円/月
年払い1,980円/月(23,760円/年)
プレミアム年払いのみ 39,800円/年

freeeの場合、個人の古物商であればfreeeのスタータープランで十分対応可能です。銀行やクレジットカードからの明細データの自動取得ができますし、仕訳量が多い場合にも対応できます。なお、無料の会計ソフトを使用する場合、仕訳件数に制限があったり、財務諸表の出力・データの移行の際にも制限がかかっていて処理に手こずる可能性がありますので、会計知識がない初心者の方は有料のものの方がオススメです。

クラウド会計ソフトは後に税理士に依頼する場合にもデータの連携が容易です。これらのツールを活用することで、経理にかかる手間を削減し、事業運営に専念できる環境が整います。

ウェブサイト運営費用

古物商として開業し、自前でECサイトやホームページを立ち上げる場合、最低限必要となる維持費としてドメイン費用およびサーバー代が発生します。

1. ドメイン費用
ドメインはウェブサイトのURLとなるもので、取得する種類によって料金が異なります。
一般的な「.com」「.net」などのドメインであれば、年間2,0000円程度の費用がかかります。一方、「.jp」などの特定のドメインは年間3,000円~7,000円程度とやや高額になる傾向があります。

2. サーバー代
サーバーはウェブサイトを運営するために必要な環境であり、レンタルサーバーを契約するのが一般的です。
安価なサーバーでは月額500円~1,500円程度、安定性の高いサービスを求める場合は月額2,000円以上の費用が発生することもあります。

3. ECサイト運営にかかる追加費用
ホームページではなくECサイトを運営する場合、さらに、以下のような追加コストも考慮する必要があります。

  • 有料テーマやテンプレート費用:デザインやECサイト特有の機能を充実させるために、有料テーマを購入すると5,000円~20,000円程度の初期費用が発生することがあります。
  • 決済代行手数料:クレジットカード決済やオンライン決済を導入する場合、決済代行会社へ取引額の3%~5%程度の手数料を支払う必要があります。

その他

古物商として開業する際には、許可申請費用や設備費用のほかにも、営業形態に応じて名刺や封筒、コピー用紙などの事務用品費や消耗品費が発生する可能性があります。

また、古物商の場合には古物台帳への取引記録の保存が必要となります。古物台帳をエクセル等で記録保存する場合には費用は発生しません。紙ベースで記録保存する場合で古物台帳の用紙綴りを防犯協会等から購入する場合には3,000円程度の費用が発生します。

古物商はどこまで経費にできる

古物商を開業する場合、その開業日前に支払ったものでも、その支出が開業に直接関係していることを明確に示せる場合には経費にすることができます。したがって、古物商の場合には例えば古物商許可取得のために支払った手数料や行政書士報酬、交通費なども経費にすることができます。

また、個人事業主である古物商は、事業にかかる費用を経費として計上することができます。ここでいう「事業に関連する費用」とは具体的に、単に仕入れや販売にかかるコストだけでなく、事務作業や営業所の運営、取引先の接待なども含め事業活動に伴う費用を経費にすることができます。

インターネットで古物の取引を行っている場合は、例えば、以下の費用などが経費として認められる可能性があります。

  • 通信費:インターネット接続料金、スマートフォンの通信料など
  • 事務用品費:文房具、コピー代、郵送料など
  • 交通費:仕入れや発送などの移動にかかる交通費
  • 消耗品費、備品など:パソコン、ソフトウェア、梱包資材

また、インターネットで古物の取引を行う古物商の場合、多くが自宅兼事務所であると思います。この場合には、家賃や光熱費も経費に計上できますが、全額が経費として認められるわけではありません。個人利用分が含まれるため、事業とプライベートでの使用割合に応じた按分が必要です。たとえば、事業で使用している割合を約30%と算出すれば、家賃や水道光熱費の30%のみが経費として計上されます。これはインターネットやスマホの料金なども同様に、個人利用分が含まれる料金の場合には按分計算が必要です。

按分計算は一般的には時間按分や面積按分などの方法により簡易的に算出します。詳細は税理士又は税務署へご相談ください。

弊所では古物商許可代行や記帳サポートが可能ですのでお気軽にご相談ください。

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