古物商許可は、営利目的で古物の売買を行う際に必要な許可です。
メルカリなどのインターネットを利用して取引を行っている方の中には、許可が必要な場合であっても、知らずに許可を取得せず取引を続けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方の中には、「今さら許可を申請すると取り締まりを受けるのではないか」と心配し、申請をためらっている方もいるかもしれません。
この記事では、無許可営業の罰則や、後から許可を申請する際の注意点について解説します。
営利目的での古物の売買には許可が必要です
営利目的で古物の売買を行う場合には、古物営業法に基づき、古物商許可を取得する必要があります。許可を取得せずに取引を反復継続的に行うと無許可営業に該当し、罰則の対象となるため注意が必要です。
無許可営業には具体的には以下のような罰則を受ける可能性があります。
無許可営業の罰則について
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者
無許可営業を続けた場合、古物営業法第31条の規定により三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処される可能性があります。
無許可営業であってもすぐに問題になることはありませんが、他の古物商や取引相手のお客さんからの通報、警察が盗品の流通経路を追っていく中で無許可営業が発覚する場合などがあり得ます。
古物営業法違反の検挙状況
古物営業法違反の検挙状況のうち、無許可営業の検挙件数は以下の通りです。
令和5年中の検挙件数は19件で、うち無許可営業についての検挙件数は10件です。
出典元:警察庁生活安全局
速やかに許可を取得する
もし、すでに古物商許可を取得せずに営業を始めてしまっている場合は、現在出品している商品を速やかに取り下げた上で、ただちに古物商許可の申請手続きに着手する必要があります。
古物営業法では、無許可営業に対して「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」という罰則が規定されていますが、現実には、申請前の短期間の営業であれば、許可取得後に問題とされることは少ないのが実情です。
警察側に疑念を持たれた場合には、これまでの経緯について簡単な説明書(顛末書)を求められるケースも稀にありますが、基本的には申請時に何らかのペナルティを受けることは経験上ありません。
速やかに申請を行い、許可を受ける意思と姿勢を明確に示すことが、リスクを最小限に抑える上で重要です。
無許可でも問題にならない場合
古物商許可を取得していない場合でも問題にならないこともあります。
例えば、「自分で使用していたものを売る」「自分で使用するために購入したものを売る」「無償でもらったものを売る」「海外で購入したものを売る」などのケースには古物商許可はそもそも不要ですので、無許可でこれらの取引を行ったとしても問題はありません。
また、古物商許可は利益を得る目的で反復継続して取引を行う意思があると認められる場合に必要となります。
したがって、許可が必要な取引が過去にあったとしても売買していた期間が短期間で、取引量も少ない場合には、厳密な解釈は別としても実務上は大きな問題とならない可能性があります。
まとめ
古物商の無許可営業は、最悪のケースでは罰則を受ける可能性があるため、速やかに古物商許可を取得することが重要です。すでに無許可で営業している場合でも、取引を停止し誠実に対応すればペナルティを回避できる可能性が高いです。
古物営業法に関する不安がある方はぜひ専門家にご相談ください。当事務所では、無許可状態のお客様からのご依頼も多く、許可取得に関するご相談を無料で受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
古物商許可に関するご依頼・お問い合わせ
土日・祝日・夜間もメール対応